民主党下院勝利 上院は与野党伯仲へ ヴァジニア州上院選はリカウント(再集計)へ

民主党が下院で勝利、上院選挙も残る2議席(ヴァジニア州、モンタナ州)での民主党優勢が伝えられています。州知事選でも民主党が各地で共和党を破り、久しぶりに全米の過半数の州知事を民主党が獲得しました。

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リカウント(再集計)と言えばいつも負けた民主党が要求しているような印象を与えますが、今回は攻守ところをかえてヴァジニア州で共和党側の求めでリカウントが行われるようです。同州の選挙法では、1%以内の僅差での敗者はリカウントを要求できる決まりになっているようですね。つまりその程度の誤差は開票で生じるって最初からアバウトさを認めているわけです。

ヴァジニア州リカウントへ ワシントンポスト

もうひとつ接戦の州はモンタナですが、ここは人口が少ないの全州で下院議員がひとりしかいません。上院議員は改選・非改選あわせてふたりいるという変わったところです。ここは開票をめぐるトラブルが起きているようです。あるカウンティでは、電子投票のソフトウェアによるトラブル、別のカウンティでは・・・なんと投票機械が投票用紙500票を壊した(傷つけた)ので手作業で再開票しているようですね。州全体で1500票差がついているようですが・・・。

モンタナ州も一部で再集計 ソフトウェア・トラブルも ワシントンポスト

ところでここで注意しなければいけないのは、日本の議会制党と違って、アメリカの議員は原則として個人の判断により投票して党議拘束がきかないということです。近年では党派政治の傾向が強まってかなり政党別に投票がきれいに分かれるようにはなっていましたが、それでも完全にどの法案でも分かれるということはありません。だからこそ、アメリカでは、各議員毎の投票記録が作成されて、有権者の判断材料となるのです。

上院は接戦の2議席を獲得して51議席を獲得すると本会議場で確かに多数を取ることになります。しかしここには、コネチカット州で民主党予備選に落選したにもかかわらず無所属で出馬当選した2000年大統領選挙の副大統領候補ジョセフ・リーバーマンが民主党側として含まれています。リーバーマンだけでなく、共和党・民主党それぞれのなかで中道を標榜して党と行動を共にしない議員が、これから、ホワイトハウスと民主党の正面対決の機会が増えてゆくなかで影響力を増してゆくことになるでしょう。