岩波『思想』特集・戦後60年

「戦後」を「日本」への/からの固着より引き離し、アジアの空間と時間のなかで考察すること、「戦後」を複数の歴史空間が重層する場に解き放つこと(成田龍一・吉見俊哉)――などをめざした岩波書店『思想』特集「戦後60年」に寄稿の機会を戴きました。拙稿「フィリピンが見た戦後日本―和解と忘却―」では、フィリピンの「戦後意識」における「マニラの死」の喪失感の意味、対日姿勢の政治学の変遷(報復と告発、攻撃と交渉、お詫びと厚意の互恵関係)、そして和解と忘却によって特徴づけられる戦争の記憶をめぐる現代の日比関係が抱える問題点、より質の高い和解と心の平和を得ることができるような、そして終わらせることを目的としない「戦後」をあらたに作りなおし、生きなおす営みの必要性を論じました。 岩波書店紹介ページ

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