フィリピン「反乱罪」追及あいつぐ

フィリピンで2月の政変未遂劇を乗り切ったアロヨ政権による「反乱罪」の追及が厳しさを増しています。「逃亡」していたホナサン元大佐・元上院議員が拘束されました(ホナサン大佐は1986年のピープル・パワー政変劇のきっかけをつくったひとり。国軍改革派のリーダーとしてアキノ政権に対するクーデター未遂を繰り返したことでも追及された過去があります)。 フィリピンの左翼系政治学者として知られるフランシスコ・ネメンゾ博士(前フィリピン大学学長)も「反乱罪」で訴追されました。国軍改革派の若手と懇談したことが、反乱の共謀であるとして告発されたのです。反マルコス運動では最左翼の学者として活躍したネメンゾ博士は、国際基督教大学ICUで教鞭をとり、日本人学生を育てたことでも知られています。近年は共産党・NPAだけでなく国軍改革派の若手将校に国家再生の期待を繋ぐ発言をしていたことでも知られています。このようにラディカルな政治学者がフィリピン大学学長職についたことは、マルコス戒厳令の時代から考えれば隔世の感があり、また、フィリピン市民社会のある種の成熟を示すものとして歓迎されたものです。 いずれにせよ、学者が軍人と懇談しただけで「反乱罪」で告発されるのではたまりません。学問の自由に対しても深刻な恫喝でもあります。憂慮するフィリピン、日本、アメリカの研究者たちが公正な裁判と学問の自由の擁護を訴える請願に署名活動をしています。 ネメンゾ博士自身が「反乱罪」連座についてのステートメントを発表していますので、ここに原文のまま掲載させていただくことにします。

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