米海兵隊員1名に有罪評決 フィリピン スービック自由貿易区強姦事件
2006年12月4日、フィリピン・デイりー・インクワイアラーその他の報道からの抜粋です。
スービック自由貿易区で2005年11月にフィリピン人女性を強姦した罪で起訴されていたダニエル・スミス被告(ミズーリ州セントルイス出身)に、マカティ地裁139合法廷のベンジャミン・ポゾン判事が有罪評決をくだしました。懲役40年の刑が宣告される可能性があります。罰金合計55万ペソ(約125万円)の支払いも命じられました。起訴されていた他の3名(強姦した被告を煽ったと言われている)には証拠不十分の無罪評決がありました。ポゾン判事はスミス被告をアメリカの管轄下ではなくマカティ市刑務所に送るよう命令しました。
スミス被告は「合意」があったことを主張しましたが認められませんでした。スミス被告は1992年の米軍基地撤去後初めて、1998年にフィリピン訪問米軍をめぐる地位協定が結ばれたから初めての刑事罰で訴追/有罪評決を受けたアメリカ人被告となりました。判決言い渡しの模様は全国にテレビ中継されました。
ポゾン判事はスミスが被害者を背負ってバーを出て行くのを見たというネプチューン・バーの警備員など事件の目撃者の証言を採用しました。
法 廷では拍手が沸き起こり、被害者の(仮名)ニコールさんは支援者と抱き合って涙を流し、「神様のおかげです、レイピストを投獄しましょう。出してはいけな い!」と語りました。スミスを許しますか?との質問に(仮名)ニコールさんは、God is goodとだけ答えたそうです。
スミス被告が刑期をフィリピンで務めるのかどうかは明らかではないそうです。彼はまた控訴することができます。
裁判所の周りには100名ほどの人々が集まり、「バヤンコ(我が祖国)」を歌い、「ニコールに正義を、我が国に正義を、VFA(米軍訪問協定)廃止を」との垂れ幕を掲げていました。
1992年までフィリピンにはスービック海軍基地、クラーク空軍基地の2大基地を中心に多くの米軍人が滞在していました。1960年代には幾つかの刑事事件をめぐって反米軍基地が高まり、1992年の基地協定廃止と米軍の撤収につながりました。
その後、1998年に米軍訪問協定(VFA)が結ばれ、米軍が再びフィリピンを訪れるようになりました。現状では、米兵の犯罪に関して、フィリピンは裁判権をもつものの、未決囚の身柄を拘束することはできず、これまで4被告は米大使館の保護下に置かれていました。
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