アンダーソンズビル捕虜収容所

南北戦争 アンダーソンズビル収容所

南北戦争Andersonsville捕虜収容所跡地は国立歴史公園になって保存されている

アメリカ史上最初の戦犯裁判と言われているのが、南軍が北軍捕虜を収容したジョージア州南部のアンダーソンズビル捕虜収容所長Henry Witzに対する裁判です。同収容所には約45000人が収容され、食糧不足による飢餓や疾病によって約13000人が死亡しました。収容所の跡地は今ででも保存されており、各州の慰霊碑が立っています。

http://www.nps.gov/ande/ 国立公園局の紹介ページ
南北戦争後の戦犯裁判では、結局、Witz以外の全ての南軍軍人はその罪を免じられましたが、Witzだけは裁判となり死刑を宣告されて、リンカン暗殺犯などと同じ刑場で処刑されました。現場指揮官に過ぎず、食糧不足などについて上官に問題を報告していたWitzだけが責任を追及され処刑されたことは同情されてきました。日本でいうBC級戦犯問題そのものとも言えます。処刑の際に、刑を執行する北軍将校が「(処刑という)命令を実行しなければならないのを残念に思います」と言うとWitzは「命令がどういうものかは分かっていますよ。そして僕は命令を守ったために絞首刑となるわけです」と答えたと言われています。
アンダーソンズビル収容所には45000人の北軍捕虜が収容され13000人が死亡した
アンダーソンズビル収容所長は初めての戦犯裁判で死刑となった
最初の戦犯死刑囚となったHenry Witz

1998年に同地に国立POW博物館がオープンしました。なにしろジョージア州南部の辺鄙な土地にあるだけに、なかなか訪れるのは大変です。POW博物館の展示の中心は、アンダーソンズビル収容所の歴史はもちろんのことですが、やはり第2次世界大戦、ついでベトナム戦争における米軍POWの苦難です。第2次世界大戦の枢軸側のPOW収容所など、アメリカ側が運営した捕虜収容所についても少しですが展示があります。日系人強制収容所はPOW収容所ではなかったので展示されておらず、そしてもちろん、対テロ戦争の収容所(グアンタナモとアブグレイブ)は展示されていません!