アメリカが語る民主主義

アメリカが語る民主主義

『アメリカが語る民主主義』と 同じ研究グループが1999年から3年間新たに取り組んだ共同研究(国立民族学博物館地域研究企画交流センターと一橋大学大学院法学研究科の連携研究)の 成果論文集として大津留(北川)智恵子・大芝亮編『アメリカのナショナリズムと市民像:グローバル時代の視点から』がミネルヴァ書房より刊行されました。 「アメリカのナショナリズムがどのように表れるか、ナショナリズムをグローバルな文脈でとらえると何が見えてくるのか、そしてアメリカの内に生じる市民像 はアメリカのナショナリズムをどのように語りなおしているのか、という3つの視点から構成されて」います。

浸透するアメリカ・拒まれるアメリカ

「ア メリカニゼーションの国際比較」研究会の成果論文集として東京大学出版会から油井大三郎・遠藤泰生編『浸透するアメリカ・拒まれるアメリカ』が刊行されま した。アメリカニゼーションの問題を、米国内、米国内外の境界領域、そしてアジア・ヨーロッパなどを含めて総合的に比較した初めての論文集です。中野は 「コールド・ウォリアーズのフィリピン体験」で、冷戦期にフィリピンの選挙政治に米国が介入したときに重要な役割を果たしたCIA工作員ガブリエル・カプ ランのフィリピン経験に焦点をあて、1950年代の米比の選挙民主主義がいかに「遠い他者」ではなかったかを論じました。イレートによる米国政治学におけ るフィリピン研究のオリエンタリズム批判への中野の応答という点で、大津留智恵子編『アメリカが語る民主主義』所収の「民主主義と他者認識」の続編です。 両論文を統合して全面的に書き直した論考を立命館大学アメリカ研究セミナーに提出しました(A Tale of Two Democracies)。今後もこのテーマを主要な研究主題のひとつとして追っていきたいと考えています。 紀伊国屋ブックウェッブ

アメリカの戦争と在日米軍

社 会評論社から島川雅史編『アメリカの戦争と在日米軍:日米安保体制の歴史』が刊行されました。南山大学アメリカ研究センター・シンポジウム「安保体制の中 のアメリカ軍基地の役割」報告(南山大学名古屋キャンパス、2002年11月16日)をふまえて、日米安保体制の戦後史を論じたこの論文集で、中野は門外 漢ながら「フィリピンの米軍基地問題:植民地期から1992年まで」の章を担当しました。米国の軍事安全保障政策のなかで必要不可欠とはみなされてこな かったがゆえに1992年の基地撤去が「可能」となった経緯を通史として論じることにより、日本の基地問題・日米安保体制との違いが結果として浮き彫りに なればと思って書きました。この問題については伊藤裕子氏(亜細亜大学)が精力的に研究を展開されていますので、本論文でも大いに参考にさせていただきま した。 紀伊国屋ブックウェッブ

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