「帝国の終焉」とアメリカ

山川出版社から渡辺昭一編『帝国の終焉とアメリカ』が刊行されました。パクス・ブリタニカからパクス・アメリカーナへ。アジアにおける植民地支配の終焉とヘゲモニーの交替に着目し、「20世紀的世界」の歴史的発展過程を明らかにする共同研究の成果論文集です。中野聡の所収論文「イギリス帝国の終焉と東南アジアの国民国家エリート」は、ロビンソンの協調理論を参照しつつ、ASEANをポスト・イギリス帝国における協力者=国民国家エリートの共同体、対外的な協調体制としてとらえるとどのような歴史像が見えてくるかを検討しました。結びの言葉から・・・「欧米中心史観を克服するうえで「周辺」の主体性に注目して帝国やヘゲモニーの制約や限界を語るのはたしかに大事であるが、対象地域の政治エリートの主体性を強調するあまり、彼らが抱える内的・外的制約や限界を見失ってはならない。ロビンソン論文は、独立後の「近代エリート」の政治的困難を予想するなかで、彼らもまた歴史被拘束的な状況の虜なのだという視点を示していた。本章ではこの観点から、「帝国の終焉」後の東南アジア国際秩序が、協調的な開発体制諸国が構成するASEANによって担われたことの歴史的意味を考察することで、アジアの主体性を「等身大」に捉えるひとつの視点を提起してみたつもりである」。 山川出版紹介ページ

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