Arlington National Cemetery Section 60, 2003/2013

「私たちは無数の白亜の墓標が整然と丘陵の芝生を埋める墓苑を10分ほど歩き、広々とした芝生の空き地が広がる60区画にやって来た。ここは最も新しい死者たちのために用意された場所のひとつで、最前列にはアフガニスタン戦争・不朽の自由作戦Operation Enduring Freedomやイラク戦争・イラクの自由作戦Operation Iraqi Freedomの戦没者のための真新しい墓石や、まだ埋葬の直後で、臨時の墓標が無造作に芝生に突き立てられただけの墓が並んでいる」。(中野聡『歴史経験としてのアメリカ帝国─米比関係史の群像』岩波書店、2007年、序章より)。 この光景が10年後にどうなったか?上の写真または下記のURLをクリックしてみてください。 https://goo.gl/photos/mL4ZzgsqkMW25E3K7

和解と忘却――戦争の記憶をめぐる日本・フィリピン関係の光と影―― (1)和解と忘却

    (2015年12月27日転載) (注)本稿は岩波書店『思想』2005年12月号掲載論文をあらたにウェッブ掲載用に改題・改稿したものです 1 はじめに 2005年・戦後60年を迎えた北東アジアの国際関係は、ふたたび、歴史教科書や小泉純一郎首相の靖国参拝を焦点とする「歴史問題」で混迷を深めた。 この問題では、近隣諸国の理解を得られない小泉首相や日本人の独断的な行動や説明不足が批判されているのであるが、視点を変えると、近隣諸国の側にも日本との対話方法をめぐるとまどいがあるように思われる。はたしてアジア諸国は日本のふるまいに対してどんなメッセージを発してきたのだろうか、また、発するべきなのだろうか?この観点から注目できる国のひとつが、戦後日本(人)への語りかけ方という点で劇的な変化を見せてきた国、フィリピンである。小論では、その変化のあり方を検討することによって、アジア諸国と戦後日本の対話――あるいは対話の欠如――の構図の一端を浮かび上がらせてみたい。

和解と忘却――戦争の記憶をめぐる日本・フィリピン関係の光と影―― (2)忘却への抗議と山崎隆一郎大使の謝罪

(2015年12月27日転載) (注)本稿は『視覚表象と文化的記憶』所収論文の一部をウェッブ掲載用に改題・改稿したものです 1.対象喪失論と慰霊問題  (1)で述べてきたように、「慰霊の平和」は、日比関係が敵対から友好へ転換してゆく課程で政府間外交にはできない非公式の外交資産を築いてきた。しかし、より近年の展開は、日比間の「慰霊の平和」に内在する――記憶の抑圧と忘却という――問題点を明らかにしつつある。

『学術の動向』2016年1月号 特集アジアのメガシティ東京

『学術の動向』2016年1月号 特集アジアのメガシティ東京

日本学術会議発行のジャーナル『学術の動向』2016年1月号 特集1 アジアのメガシティ東京 その現状と役割 (2015年7月11日 日本学術会議主催学術フォーラムの内容をまとめたものです) 特集の趣旨 / 杉原 薫 問題提起 / 青木 玲子 メガシティ東京の過去・現在・未来 ―都市比較から考える / 町村 敬志 進展する東京集中と 経済成長の特徴 / 梅溪 健児 地震リスクと防災政策 ─日本の住宅市場と家計行動の観点より / 瀬古 美喜 気候変動適応策 ─持続可能でレジリエントな社会に向けて/市橋 新 中国の大都市は東京から 何を学べるか? / 丸川 知雄 メガシティ社会科学研究の マトリクス / 中野 聡 まとめ / 青木 玲子

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