ブッシュ政権の人権侵害に対する刑事告発の動き

アメリカの人権擁護団体のあいだで、ブッシュ政権の対テロ戦争関連の人権侵害を刑事告発する動きが強まっています。一連の連邦最高裁判所判決が、対テロ戦争にジュネーヴ条約が適用されないとするブッシュ政権の判断を否定したことや、11月の中間選挙で民主党が議会多数を獲得したことがある種の追い風になっています。その一方、中間選挙を前に連邦議会/ブッシュ政権は2006年軍法(Military Commission Act of 2006)で、一連のジュネーヴ条約無視を合法化し、さらに対テロ戦争に関連して大統領が認めた場合には、逮捕状・裁判なしの無期限拘留を認め、とくにアメリカ国籍の無い者には合衆国憲法で認められていたはずのhabeas corpus人身保護令の適用も除外するという、ちょっとにわかには信じがたい悪法を成立させてしまっています。そこでアメリカの人権擁護団体Center for Contstitutional Rightsは、ドイツの裁判所にアメリカの戦争犯罪を刑事告発するという手段に訴えました。

2002年に国際刑事裁判所が設置されたのにともないドイツで立法された国際法違反に対する刑事法は(Code of Crimes against International Law CCIL)は戦争犯罪、虐殺、人道に対する罪についての国際司法権(universal jurisdiction)を認めています。つまりドイツ国外の犯罪に対しても適用が可能だということです。2006年軍法に見られるアメリカ人免罪の動きに対抗するために、人権団体はここに訴え出たわけです。

Center for Constitutional Rights / 戦犯容疑でラムズフェルド国防長官らを告発
 
ACLU 対テロ戦争市民権侵害問題関連
2006年軍法改正問題 wikipedia