岩波講座 東南アジア史 第8巻
岩波書店より、後藤乾一編『岩波講座東南アジア史第8巻 国民国家形成の時代』が出版されました。「1939年から1950年末まで、第二次大戦、日本支配、冷戦。激動する国際関係に翻弄されながら、「国民国家」の創出に向けて歩み始めた東南アジア。それぞれの国家や民族は、かつてない「変化の時代」といわれるこの20年をどのように歩んだのか。本巻はまた東南アジア現代史を鏡とし、そこに映る日本自身の“アジアに向けた顔”を見つめ直す手引き書である」(帯より)。私は第2章「日本占領の歴史的衝撃とフィリピン」で、日本占領の歴史的衝撃が、結果として、戦前に予想されていた独立後の大きな変化の契機を奪うことにつながったフィリピンの事例の特殊性を論じ、第10章「賠償と経済協力」で、「サンフランシスコ体制」のもと進んだ賠償と経済協力を通じた日本・東南アジア関係再形成のあり方を構造的に分析するとともに、賠償・経済協力が日本・東南アジア双方の国民的な歴史経験として持った意味を考究するための研究上の課題を提示しました。アジア文庫紹介ページ
岩波講座 東南アジア史 第7巻
岩波書店より、池端雪浦編『岩波講座東南アジア史第7巻 植民地抵抗運動とナショナリズムの展開』が出版されました。「19世紀末から1930年代にかけての時代は、欧米列強による植民地支配の全盛期であったが、同時にこの時代は、東南アジアの人々が植民地体制を廃絶して「われわれの国民国家」の樹立をめざしたナショナリズムの時代でもあった。本巻は、後者に焦点をあてて、その多様な展開をあとづけるとともに、この時代から現代へ引き継がれたさまざまな課題を読み解く」(帯より)。私は第5章「米国植民地下の国民国家形成で、米国による再植民地化と国民国家形成が同時に進行する「奇妙な」歴史過程を、宗主国・米国の特殊な性格や、自治化・無関税貿易政策のもとに形成されたフィリピンの国民的空間(ナショナル・スフィア)の性格に注目して論じました。 紀伊国屋ブックウェッブ http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9975471692
『アメリカが語る民主主義』ミネルヴァ書房、2001年
ネルヴァ書房より大津留(北川)智恵子・大芝亮編『アメリカが語る民主主義』が 出版されました。帯から、「20世紀はアメリカの世紀であった。自由と民主主義の国、アメリカ。人権と民主主義を外交の柱とするアメリカ。アメリカは民主 主義を語る。アメリカはラテン・アメリカをはじめ、世界各地で民主主義を伝道する。アメリカは、軍事・経済援助を通じて、そして民主化支援を通じて、民主 主義を輸出する。しかし、アメリカの語る民主主義に疑問を抱いたことはないだろうか。本書は、アメリカ研究、外交史、そして国際政治学の研究者が民主主義 という理念がアメリカ内政・外交において果たす役割を共同研究したものである」。私はすでにこのウェブサイト上で草稿を公開、アメリカ学会でも発表させて いただいた「民主主義と他者認識」を寄稿しました。(2001/1/5) アマゾンで入手 TRC日本図書流通センター/図書館所在情
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