浸透するアメリカ・拒まれるアメリカ
「ア メリカニゼーションの国際比較」研究会の成果論文集として東京大学出版会から油井大三郎・遠藤泰生編『浸透するアメリカ・拒まれるアメリカ』が刊行されま した。アメリカニゼーションの問題を、米国内、米国内外の境界領域、そしてアジア・ヨーロッパなどを含めて総合的に比較した初めての論文集です。中野は 「コールド・ウォリアーズのフィリピン体験」で、冷戦期にフィリピンの選挙政治に米国が介入したときに重要な役割を果たしたCIA工作員ガブリエル・カプ ランのフィリピン経験に焦点をあて、1950年代の米比の選挙民主主義がいかに「遠い他者」ではなかったかを論じました。イレートによる米国政治学におけ るフィリピン研究のオリエンタリズム批判への中野の応答という点で、大津留智恵子編『アメリカが語る民主主義』所収の「民主主義と他者認識」の続編です。 両論文を統合して全面的に書き直した論考を立命館大学アメリカ研究セミナーに提出しました(A Tale of Two Democracies)。今後もこのテーマを主要な研究主題のひとつとして追っていきたいと考えています。
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