和解と忘却――戦争の記憶をめぐる日本・フィリピン関係の光と影―― (1)和解と忘却
(2015年12月27日転載) (注)本稿は岩波書店『思想』2005年12月号掲載論文をあらたにウェッブ掲載用に改題・改稿したものです 1 はじめに 2005年・戦後60年を迎えた北東アジアの国際関係は、ふたたび、歴史教科書や小泉純一郎首相の靖国参拝を焦点とする「歴史問題」で混迷を深めた。 この問題では、近隣諸国の理解を得られない小泉首相や日本人の独断的な行動や説明不足が批判されているのであるが、視点を変えると、近隣諸国の側にも日本との対話方法をめぐるとまどいがあるように思われる。はたしてアジア諸国は日本のふるまいに対してどんなメッセージを発してきたのだろうか、また、発するべきなのだろうか?この観点から注目できる国のひとつが、戦後日本(人)への語りかけ方という点で劇的な変化を見せてきた国、フィリピンである。小論では、その変化のあり方を検討することによって、アジア諸国と戦後日本の対話――あるいは対話の欠如――の構図の一端を浮かび上がらせてみたい。
カール・チュアさん(アテネオ・デ・マニラ大学)講演会のお知らせ(11月6日)
アテネオ・デ・マニラ大学歴史学科教員で日本研究プログラム主任のカール・チュアさんが来日して一橋大学大学院社会学研究科・平和と和解の研究センターで講演します。どなたでも参加できます(事前申込み不要)。 お問い合わせ先:中野聡 (nakano.satoshi@r.hit-u.ac.jp) 講演題:第二次世界大戦を学ぶ/現代フィリピン児童文学のナラティヴ/ Learning about World War II: Narratives from Contemporary Children’s Literature in the Philippines 日時:2014年11月6日(木曜日)午後4時20分〜午後6時 場所:一橋大学東キャンパス第3研究館3F共用会議室(JR国立駅徒歩8分) 地図:右記 URL で表示される地図の47番の建物です http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/ 使用言語:発表英語・ディスカッションは日本語・英語併用
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