景気刺激法でフィリピーノWW2ベテランに米軍ベテラン手当を一時金支払いへ

米フィリピン大使館ウェブサイトより
オバマ政権下で初めて成立した法案である「2009年アメリカ景気回復再投資法American Recovery and Reinvestment Act of 2009」(全文はこちら)に、フィリピーノWW2ベテランに対する米軍ベテランとしての一時金支払いが盛り込まれました。
米フィリピン大使館プレス・リリース(2009年2月18日)
これは、第2次世界大戦においてアメリカの自治領植民地であったフィリピンにおいて、米軍指揮下で戦った(ことを公認されている)いわゆるフィリピーノWW2ベテランが、米軍ベテランとしての平等な扱いを拒否されてきている問題で、ひとつの焦点となってきた、ベテラン年金の支払い問題にひとつの決着をつけるものです。その主な内容は、請求があればアメリカ国籍をもつベテランに対しては1万5千ドル、もたない(フィリピン国籍の)ベテランには9千ドルを一時金として支払うというものです。すでに米比両国で請求の受付、支配手続きが始まっています(2010年2月16日まで受付)。
オバマ政権シンセキ退役軍人省長官のプレス・リリース(2009年2月20日)
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フィリピーノWW2ベテランの地位問題には長い歴史があります。ここではとても説明し切れませんが、中野の関係論文および、科学研究費報告書ウェブサイトにくわしくその解説してありますのでごらんください。
フィリピーノWW2ベテラン支援団体のひとつAmerican Coalition for Filipino Veteransが作った広報用ビデオがYouTubeで見ることができます。

フィリピン、フィリピーノ・アメリカン・コミュニティの反応は複雑です。
ACFV、勝利を強調(トップ・ページ)
完全平等の実現ではなく一時金支払い方式には不満の声も(2009年3月21日)
不十分な面もあるとしながら評価の声が強い(全米フィリピーノ団体連合会カリフォルニア支部)
WW2ベテラン問題がフィリピーノ・アメリカン・コミュニティで最大のエンパワメント・イシューとなって久しい。2008年の第11回フィリピナス・マガジン全米表彰でも、アブグレイブ収容所問題の調査でいちやく脚光を浴びたタグバ退役少将などがベテラン問題に支援のメッセージを送った。(映像)
この動きについては、引き続きフォロー・アップする予定です。