(改訂版)LGBT・ゲイ権利運動の市民権戦略とアメリカ政治

(改訂版)LGBT・ゲイ権利運動の市民権戦略とアメリカ政治

アメリカにおけるLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー=性的オリエンテーションにおけるマイノリティ)の市民権戦略を考えてみましょう。 藤永康政氏が指摘するように、「公民権運動が達成した変化は、黒人をはじめとするマイノリティの政治的権利だけにとどまらず、抑圧されていた集団が肯定的なアイデンティティを構築していく意識覚醒を促進」しました(『原典アメリカ史』岩波書店、2006、第8巻、290頁)と言えます。その代表的な例が、厳しい差別排斥の視線に晒されてきたLGBTの権利運動だったと言えるでしょう。

(改訂版)査証なし移民(Undocumented Immigrants)とアメリカの市民権構造・市民権戦略

現代アメリカ経済が、その底辺を査証なし移民(undocumented immigrants)によって支えられ、さらに合法移民・帰化市民に人的資源を大きく依存してることは言うまでもありません。 その一方で、移民とりわけ査証なし移民によって「アメリカ人」の給与・所得・生活水準が切り下げられている、あるいは脅かされている、さらにはアメリカの国民統合が危機に曝されている、あるいは国民統合の中核となるべき価値が変質してしまうという反発や警告も、歴史のなかで繰り返されてきました。このような状況のもとで、アメリカに居住し、あるいはアメリカに帰化して市民権を取得することでさまざまの問題を解決しようとしてきた人々(移民)は、どのような市民権戦略をとってきたと言えるでしょうか。現代アメリカにおける移民問題の焦点となっているヒスパニック系の人々に注目して考えてみたいと思います。

NY「治安回復」の暗黒面を垣間見せたショーン・ベル「花婿」射殺事件(2006年)に無罪判決

続報  2008.4.28. 被害者側は連邦裁判所に提訴の構え NYで抗議行動広がる 2008.4.25 無罪判決にNYの黒人コミュニティのあいだで怒りが広がる 2008.4.25 ショーン・ベル事件で起訴された警官達に無罪判決 判事は友人の証言の信用性を認めず/ ショーン・ベル事件CNN特集サイト 下記のブログは2006年11月の記事です

Hilary, Obama, EdwardsがColbert Reportに出演

「フェイク・ニュース」が「フェイク」でなくなる、劇場化したアメリカ政治を象徴するような一夜でした。ペンシルヴェニア予備選を翌週に控えた4月17日の放送で、人気番組「コルベア・リポート」に、民主党予備選を戦うヒラリー、オバマそして前候補のエドワーズが勢揃いしたのです。 まずはヒラリーが、放送トラブルを解決すると言って突然登場。経験不足のオバマに対して「問題を解決できる」「午前3時に電話がかかっても大丈夫」とキャンペーンする自分自身を風刺する余裕を見せました。 このあと「今度の選挙の鍵は白人男性」ということで、すでに予備選からリタイアしたエドワーズが出演、ワーキング・プア問題を前面に出した選挙戦を戦った一方でジェットスキーを楽しむ高収入エリート弁護士とも評される自分を茶化す余裕を見せました。 最後に出たオバマ氏はやや対応が生真面目過ぎたかもしれません。 下記New York Timesでもくわしく紹介しています。iTune Shop (US) でもエピソードを買うことができます。 http://thecaucus.blogs.nytimes.com/2008/04/17/clinton-on-colbert-report/

マイノリティの市民権戦略と記憶の政治

マイノリティの市民権戦略と記憶の政治

公民権運動の時代以後、展開してきたアメリカ合衆国におけるマイノリティの政治は、記憶や歴史認識と深く結びついて展開してきています。まず代表的な3つの集団についてのリンクを紹介しておきます。 1.アフリカ系アメリカ人 1950年代から60年代にかけての公民権運動は、それじたいは、植民地主義や奴隷制に対する謝罪や補償を求めるものではありませんでした。しかし、そこから派生した「歴史の見直し」の動きは、過去に差別/抑圧/虐殺された(民族)集団についての集合的記憶を公的レベルで修正し、保存し、顕彰してゆくパターンの先駆けとなりました。

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